■Opening Phase01 受け継がれる魂の形

 1人の老人がベッドに腰かけ、ヴァイオリンを奏でていた。その旋律は暖かながらもどこか別れの曲に似ていた。

 精霊は、契約している神曲楽士の死期が近づくとそれを悟るという。

 それは、まだ拙い技術ながらも、心のこもった演奏──。

■Opening Phase02 荒らされた研究室

 数学者キムラ・オールズはいつものように自宅で朝のオレンジペコー・ティーを楽しんでいた。

 あまりの電話対応に一同爆笑。

 大学に着くと警備員の牛頭の精霊が大きな体を申し訳なさそうに縮こめていた。

「なあカジヤマ、あんたは神曲に何を見ていたんだい?」
 誰ともなくつぶやくと、遠くからルシャゼリウス市警の到着を示すサイレンの音が聞こえてきた──。

■Opening Phase03 ケーキと試験勉強

 「あーあ」。ユギリ・ペルセルテは机にひじをつき、大きなため息をついた。

 なるほど(笑)。

■Opening Phase04 過去の亡霊

 ベースギターを主制御楽器に持つ単身楽団を操りながら神曲楽士のテロリストがにやりと笑う。その周囲には精霊と人間を融合させた忌まわしき技術の結晶、精霊奇兵が不気味にたたずんでいた。

 必死に走るティガーボルト。しかし、わずかに間に合わず、ティガの刀が精霊奇兵を両断するのと、精霊奇兵が楽士を貫くのとは、同時であった。

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