久々のカオスフレアSC

 制定されて初めての山の日だが、冷房の効いた部屋に籠ってTRPG、というわけで五郎さんが関東に来たこともあり久々にオフラインでTRPGをプレイ。システムはこれまた久しぶりの『異界戦記カオスフレアSC』。シナリオ作成中に『CFSC』を前回プレイした時のレコードシート類が発掘されたので、日付を見てみると2012年の8月、ちょうど4年前という事実に驚き。おいおい、五輪か(笑)。
 というわけで続きの方にシナリオについて書いてみる。

 オープニングは中華風世界の暁帝国での裁判から始まる。清廉な官吏 李子徴は不正を行い私腹を肥やす宦官 張常侍を告発。だが裁判の結果は不正な手段を用いた張常侍の勝訴。正義が行われないことに絶望した李子徴はグリシーナにつけこまれ、ダスク化してしまう。ボスであるダスクフレアは、今まで(初代『カオスフレア』で)あんまりやってこなかった善人が闇堕ちして創世を目指すという形式。グリシーナは『初代CF』ではしばしば登場させていた公式NPCなので、今回も自然とその選択となった。
 まあ折角だから暁帝国の公式NPCも出しておこうと、曹孟徳もチラッと顔見せ。VF団も出したいなあと思ったが、今回は見送る。

 ヒロインはダスクフレア李子徴の娘、李雪曜。曜の字は某アニメキャラから取ったがキャラ造形には要素は入れなかった註1)
 しかし自分の悪いクセなのだが、今回もヒロインが空気キャラになってしまった。余りPCに過剰な設定を押し付けたくないという意識がまたしても働いてしまい、その結果PCとヒロインの関係が曖昧模糊となって焦点がボヤける。オープニングで誘拐されると、その後PCと絡む機会がなくなるので(まあ、一般論としては回想シーンなど入れる手もあるが。)、そのままエンディングまで影が薄いまま。この点は大いに反省しなくてはならない、マジで。
 影が薄くなるくらいならハンドアウトでガチガチに設定を付与する方がマシだなあ。キャンペーンシナリオならともかく、ましてや今回は単発シナリオ。なので、ハンドアウトで「李雪曜はあなたの許嫁だ」くらい言ってオープニングでPCといちゃいちゃさせてしまって良かったように思う。

 今回暁帝国をオープニングの舞台にしたのは、前回註2)はオリジンのファンタジー風の世界のみが舞台だったため、それ以外の地方も出したいなと考えたことと、現在五郎さんがオンラインセッションでGMを務めている『アリアンロッド2E』のキャンペーンが中華風世界が舞台のため、それに触発されたこと(笑)。
 李侍郎や張常侍のように中華風世界の役人が姓+官職名で呼びあうのはNPCの名前を判別しにくくするだけだというのは理解しているのだが、ついこだわってNPCに喋らせてしまう。まあ世界観を演出する意図もあるので全く無意味というわけでもないが、基本的には自己満足。

 ピアニッシモ王国から創世砲の地図が盗まれる事件や大断崖下に創世砲があるという設定は『CFSC』付属シナリオからの拝借。捜査を依頼する公式NPCはエニア三世と織田信長(女)という定番。本当はイルルヤンカシュ註3)も登場させたかったのだが、神炎同盟の盟主3人という近似した立場のNPCはこれ以上出す余地がなかった、無念。
 地図の保管された宝物庫に魔法のカギがかかっていたという描写も魔法が身近な世界観であることの説明。『CFCS』はシーンの舞台に拠って背景の絵的な雰囲気が全然違うので、今回はそこを意識して演出してみたが、これもその一環。
 李子徴の噂を語るタックスマン、最初はPCの取得した初期パスのNPCがその役を務める予定だったが、金にうるさい彼と清廉な李子徴との対比が面白くね? と考え、またクライマックスでの演出(後述)のために登場させた。まあオリジンにはいろんな人が来ているよ、という紹介も込めている。

 シナリオのミドルフェイズ部分の作成に当たってはプレイヤーがシステムに慣れていないことと会場の時間的な制約もあり、比較的単純な物を目指す。シーンが連続して連鎖的にイベントが発生するジェットコースター式にしたのも同じ理由なのだが、PC同士が会話する余地がなくなってしまい、せっかくPC毎に立場が異なるオープニングにしたのにこれは失敗だったなと反省。
 しかし忙しない構成にしたにも関わらず、幕間のパスの調整で想定以上に時間がかかってしまい、エンディングフェイズの終了が会場の使用時間ギリギリ。結局、アフタープレイでの経験点算出等の処理は行えなかった。慣れていないシステムでは想定よりも多めに余裕を見て時間配分をした方が良さそうだ。

 情報収集シーン。情報収集判定に成功するとシナリオ攻略の情報と同時に世界観の説明が入る、プレイヤーが慣れていないシステムの時にはよくやる手法註4)。時間制限は一応あったが、『CFSC』の場合余程出目がおかしくない限りフレアで成功にできるので、そんなに危機感を煽れないかなと、面倒になり伝えなかった。
 情報収集シーンにて「テオスに襲撃されるピアニッシモ王国防衛」イベントに成功すると入手できる《金色の魔法》註5)が使用できるアイテムは、李子徴か雪曜を助けるために使用するだろうと登場させた。先述の情報収集に3シーンかけるか、大断崖の侵入の判定に1回でも失敗すると、李子徴が《呪われし者の印》註6)を雪曜に使うシーンがクライマックスフェイズから、ミドルフェイズ最後のGMシーンになり、フレアを消費することで打ち消すことができなくなる。その場合は《金色の魔法》では父か娘のいずれかしか助けられないとした。

 大断崖に侵入する時にはパルフォーロンのトゥアン王子の力を借りるシーンを入れる。巨大な花の上にある都市やドラゴンに跨がる妖精というファンタジーっぽい場面を演出したかったのと、温泉を購入してHP回復をする必要があるかなという意図。後者に関してはミドルの戦闘での敵やぎゅうのお兄ちゃん柳生忍軍が弱すぎて傷ひとつ与えられなかったため意味をなさなかった(苦笑)。
 本当は食事を購入することもこのシーンで示唆する予定だったが、既に想定時間を大幅に超過していたので、とっとと大断崖に侵入、クライマックスへ移行する。

 クライマックスではダスク化した李子徴と戦闘。データはダスクフレアテンプレートの暁帝国魔侠を改造註7)して使用。討たれてから省みれば《不死鳥の炎》註8)が残っていたので、弱体化せず元のままでも充分倒せたなとは思ったが、まあ不慣れなシステムそこまでガチバトルしなくてもいいかなと、これまた終了後に思う。単に苦戦させたいだけなら配布するフレアを絞ればいいだけだし註9)
 ダスクフレアに突き返しを持たせたくないのだが、改造前データでは《化勁》註10)持っているので、HPが0になったら使用するようにした註11)。ダスクフレアに突き返しさせると、それこそ聖戦士以外のPCが殴る気が起きなくなってしまうので、『初代CF』の時からなるべく持たせないようにしている。その分手数が減ってしまっていたので、《那由多の一瞬》註12)をもう1レベル上げても良かったかな。
 取り巻きとして、創世砲防衛装置と、オープニングで首を刎ねられた張常侍の生首を黄泉還りとして登場させる。「黄泉還りは防御属性3つもあるから強いぞ」とニヤニヤしてたが〈根源〉で殴られて、敢えなく死亡する。敵も味方も防御属性を発揮する機会がなかった註13)
 演出として、毎ラウンド末に李子徴が創世砲を発射し、憎むものを次々消滅させる演出を行う。最初に悪徳官僚が消滅し、次のラウンドでは悪徳商人が消滅、それでも貧しい人々は救済されず、憤った李子徴は世界全てを消滅させて新たに創世しようとする。悪徳商人が消えるところで、先述のタックスマンが消える演出を入れ忘れたのが今回のセッション最大の後悔。シナリオに「悪徳商人消える」としか書いておかない自分が悪いのだが……。

 そもそも今回『CFSC』をやろうと思ったのは『なぜなに未来侵略』を読んだからという実に安易な理由。ゴールデンウィークくらいからプレイする機会を探っていた。まあ遠因として、『AR2E』はいつもオンラインでやっているし、『ナイトウィザード3rd』はすっかりやる気を失ってしまったし、という他システムをやる気がなかったというのもあり。
 『CFCS』はそれこそいろんなキャラクターが作れるので、本当は各プレイヤーにPCをコンストラクションで作成してもらって註14)、全3回くらいのキャンペーンをやりたいなあと思ってはいるのだが、機会がない。「次はまた4年後か」などと冗談を言ったりもしたが、あまり間を開けずに単発でも『CFCS』のセッションができたらなあと、思う。ホント、いつになるか判らんが(苦笑)。

■註

  1. ちなみに李子徴の名は直前にアニメ『文豪ストレイドックス』観てたこともあって(笑)、『山月記』の李徴から取った。張常侍は後漢の実在の宦官張譲から。
  2. 先述の通り4年前である。
  3. 非常にかわいい。
  4. 付属シナリオなどでもしばしば見かける。
  5. エンディングフェイズに何か1つ願いを叶える特技。
  6. 対象をダスクフレア化するプロミネンス。シーンに登場しているキャラクターがフレアを支払うことで無効化できる。
  7. 主として弱体化させる方向で。
  8. 戦闘不能・死亡から復活する特技。
  9. ちなみに自分は多めに配布するGMだと思う。
  10. 至近からの白兵攻撃に突き返しを行う特技。PCは全員至近への白兵攻撃しかできないキャラであった。
  11. HP1以上の時に使わないデータ的な根拠はない。
  12. セットアッププロセスに追加行動するプロミネンス。
  13. まあ、ダメージを受けた時にそのダメージ属性の防御属性を持っていたら運が良かったね、くらいのものだとは思うけど。
  14. 今回はクイックスタートでキャラクターを作成した。

ひとこと

トラックバック

トラックバック URL