伏 鉄砲娘の捕物帳

 舞台挨拶付の回が取れたこともあり、『伏 鉄砲娘の捕物帳』を観てきた。
 美菜ちゃん演じる浜路が魅力的な主人公で、これは寿美菜子のハマり役だと感じたのが第一印象だ。祖父の跡を継いで猟師を生業にしているから、命のやりとりに対して淡白で感傷的ではなく、またその大切さも理解している。その純朴さと強さの両面が寿美菜子の演技と非常に良く適合しており、これがこの物語を引っ張っている。
 相手役として信乃が出てくるが、個人的には兄道節との関係が面白いと感じた。田舎から江戸に出ている兄ということでどんなインテリが出てくるのかと思ったら、2人が再会した瞬間に兄妹だと判る(このことは出演者も舞台挨拶で言っていた)。そんな似た者兄妹のやり取りがいちいち楽しい。
 逆に信乃の方の物語(というか村雨丸について)はちょっと説明不足で唐突かなと思うところもあるのだが、浜路の成長の物語ということを鑑みると、この辺りはちょっと触れる程度でもいいのかもしれない。
 写実的な時代劇ではなく、okamaによる幻想的な江戸の街にしたのも良かったと思う。写実的にすると地味になってしまうからと監督は言っていたが、映画という時間が決められた枠の中で「伏」という存在を時間をかけずに違和感なく受け入れさせる功を奏していたように思う。
 しかしまあ上映終了、舞台挨拶始まる段になって入ってくる輩はなんなんだろう。今日は公開初日でそれも朝一の上映回なんだが。

ひとこと

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